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・家畜から人が感染すると40度もの高熱を出す、世界的には重要な人畜共通感染症。
地中海沿岸、中南米、中近東、中国などを中心に常時、発生しているブルセラ菌感染者。
「原因不明熱」と扱われることも多いため、実際の患者数は年間推定で50万人以上いる
とみられている。
WHOが指針としてあげる生物危険度レベルで上から2番目の「レベル3」(最高がレベル4)。
生物兵器テロに使われる恐れがある札つきの細菌で、実際、1954年には米軍が生物兵器
として保持(69年に中止)していた。
今月上旬、産業技術研究所の特許生物寄託センター(茨城県つくば市)で、微生物のずさんな
管理が発覚した際も、この菌の流失かと懸念された(実は、全く別の菌であったが)。
本来はヤギ・ヒツジ、ウシ、ブタなどの家畜の間で感染を広げる。人へは乳製品などから
感染する。
「感染した家畜の肉やミルクをよく火を通さないで飲食したり、菌を直接吸い込むことで感染、
発症する。とくに流行地域では手作りナチュラルチーズなどは、加熱処理が不十分なことが
あり、リスクが高い」と話すのは国立感染症研究所・獣医科学部第一室の今岡浩一室長。
ただし、人から人への感染は非常にまれで、授乳や性交による感染例がある。
ちなみにこのブルセラの名は発見した英国の細菌学者の名前にちなんだもので、動物の種類に
よって菌の種類も異なる。イヌブルセラ菌もいるが、人への感染はまれで発症しても症状は非常に
軽い。最も危険なのはヤギ・ヒツジのブルセラ菌。
人に症状として現れる「ブルセラ症」は、発熱、頭痛、悪寒、倦怠感など風邪に似た症状。
特徴的なのは40度にも達することのある発熱で、治ったと思ったらぶり返す波状熱が数週間
から数カ月、慢性型だと1年以上にも及ぶ。治療(抗生物質の投与)しなかった場合の致死率は
5%未満だが、重症化すると脳炎や髄膜炎、心内膜炎などを起こす恐れがある。
「怖いのは菌10個からでもうつる感染力の強さ。感染すると細胞内に入り込んで免疫や
抗生物質から身を守るので治療が長期化するのです」(今岡室長)(一部略)
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