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警察庁科学警察研究所（科警研）がＤＮＡの中の「ＳＮＰｓ（スニップス）」と呼ばれる部分を解析する
新たなＤＮＡ型鑑定法を実用化するため機器を導入するなどして研究を進めていることが十日、
分かった。現行の鑑定法では難しかった白骨遺体や毛髪、古い血痕などからの個人識別が容易に
なるといい、過去の事件の容疑者や被害者特定も期待できる。
ＳＮＰｓは、最新医療技術の分野で日本の研究が最も進んでいる。捜査への応用には数年かかる
とみられるが、科警研は世界に先駆けて鑑定技術の確立を目指す。
人間の細胞核にある二重らせん構造のＤＮＡは、約三十億対の塩基配列でできている。このうち
個人差がある塩基はＳＮＰｓと呼ばれ、人間には約一千万のＳＮＰｓがあるという。
この中から、ヒトゲノム計画の研究を進めてきた東大医科学研究所の中村祐輔教授が、ＤＮＡ型
鑑定用に遺伝情報を含まない部分を選定。科警研がさらに三十－四十カ所に絞り込んで、この部分を
比較することで個人識別を行う。
すでに、今月一日には凸版印刷が約二千八百万円で分析装置と検査キットを納入。科警研は
二〇〇九年度までの研究計画を立てている。
現在、犯罪捜査に用いられている鑑定方法は、一定の長さの塩基配列を検出する必要がある。
毛根のない髪の毛や、つめなどは最初から塩基配列が切断されているほか、古い血痕や白骨は
腐敗が進み塩基配列がばらばらになってしまうために検出が難しかった。ＳＮＰｓは検出部位が
小さいため問題が少ないといい、各警察署で保管している古い遺留品の鑑定に威力を発揮すると
みられる。
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