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臓器移植の幻想と現実
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1 名前:いのげ[] 投稿日:2007/10/25(木) 20:54:29
近年 海外臓器移植希望患者の為の募金運動を見かけることが増えた。
多額の寄付が集まって海外で移植を受け、めでたく成功したという報道も少なくない。
多くは美談として語られている。だが、本当にそれでいいのだろうか。
臓器移植ネットワークによると、
日本の臓器別移植登録者数(2007年10月現在)と移植件数(脳死移植+心臓死移植:2006年)は
心臓99/10肺133/6肝臓165/5腎臓11,746/197膵臓150/9 小腸2/0と圧倒的に不足している。
あきらめて登録しない人も多いので真の需要はこれよりも多い。
一方、欧米で臓器が余っているかというと決してそうではない。
上記に相当する数字は米国では
心臓2,662/2,192肺2,344/858肝臓17,206/6,650腎臓77,761/17,090膵臓1,673/283 小腸223/121となっている。(OPTNによる)
米国では臓器提供を推進する制度を作る一方で、心臓移植の5%を外国人枠として他国人に提供している。
ただし高額の医療費は全額自己負担である。ほとんどが日本人かアラブ人だそうである。
米国以外でも同様である。
海外移植募金運動には臓器提供者を増やす効果は無い。
移植募金活動ではこの事実は多くの場合語られない。
日本人海外移植が他国の臓器移植希望者からどの様に見られているかは想像に難くない。
臓器移植を善とする立場ならば、日本人の命を他国人の命より優先し、
自国の提供者数を増やさす努力をしないという発想は、あまりにも偏狭な善意である。
腎臓や角膜の心臓死移植なら脳死判定の問題も関係ないのだが、それも他の先進国とは桁違いに少ない。
提供者が増えない最大の理由は資金と国民の協力の不足である。
自国の不備を無視して他国制度の幻想を煽る姿勢が、海外移植募金運動関連報道に見られる。(院内報原稿から転載)