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銀行業務の始まりは、12世紀まで遡ります。「テンプル騎士団」という宗教団体により始められました。
殆んどの十字軍の兵士達は聖地奪回よりも戦利品の略奪が重要だったからです。そのため、戦争が
ひと段落着いたら略奪した「お土産」を持って故郷に戻ってしまいます。
イスラム教徒にとって、十字軍は「悪魔」以外の何者でもなかったのです。
十字軍の兵士達がお土産を持って国へ帰っていく中、イェルサレムに留まり守ろうとした
キリスト教徒達を、宗教騎士団(Orders of Knighthood)といいます。彼等は、聖地の防衛と
巡礼者の保護を任務としました。そのうちのひとつがテンプル騎士団でした。
テンプル騎士団は歴代教皇の庇護を受けたことにより、諸侯からの寄進が相次ぎ、
その勢力はヨーロッパ全土に拡大しました。
1249年、フランスのルイ9世がカイロで捕縛され、身代が要求された時、テンプル騎士団が
不足分を立て替えたことで王から信任を得、王室の金庫の鍵をひとつ預かり、国王の財産を
管理するようになります。「国王の財産を管理している」というイメージは信頼感を高め、
あらゆる身分の人がテンプル騎士団に財産を預託するようになりました。
さらにはイスラム教徒からシリア人までもが、騎士団の金印を押した手形さえあれば
現金化できるようにし、ヨーロッパから中近東までテンプル騎士団が王の財産を預かる
ようになり、その地位を着々と固めていきました。こうして王侯貴族を相手に、貸し付け、
財産管理、為替業務などを扱うなど最古の銀行システムを整備し、「国際銀行」として
莫大な富を築いていきます。その最盛期には、フランス国王をはるかに凌ぐ財力を一手に握り、
ヨーロッパの金融を牛耳ったと言えるほどです。