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・先ごろ発覚したニセ募金事件。HP上で「おさむちゃんを救う会」なる会を騙り、子供の
海外での心臓移植費1億7000万円を募るという悪質なものだった。被害金額は明らかでは
ないが、これまで地道に募金活動を行ってきた人たちは困惑している。
「まじめな募金活動まで、はじめから疑った目でみられるようになっては困る」と話すのは、
海外での移植手術を望む患者らを支援する民間団体「トリオ・ジャパン」の荒波嘉男事務局長。
同団体は今回のニセ募金事件で勝手に名前を使われた被害者でもある。
海外での心臓移植に限ってみれば、昨年受けた6人中4人が、今年は8人全員が募金活動に
よって無事手術を受けることができた。移植手術を受け入れている海外の各医療施設には、
年間実績に応じた5%の外国人枠が設けられているため、移植を望む誰もが手術を受けられる
わけではない。しかも費用は億単位だ。
ドナーが増えるような法改正がない限り、善意の募金に頼るほか、移植を待つ患者を救う道は
ないのが現状。
今後も同様の詐欺が出ないともかぎらない。募金詐欺を見分けるポイントを考えてみた。
募金で移植を受ける際、最初に行うのが患者の支援者による「救う会」の結成。「トリオ-」
では実際に募金活動を始める前に、必ず地元の県庁で医師同席のもと記者会見を開く
ことをアドバイスしているという。
「基本的にまずは記者会見がスタートになる。だから、新聞やテレビで聞いたことのない
ような募金活動は怪しいと思った方がいい。街頭で呼びかけを行う場合も、掲載した新聞
記事を使ったりしていますから」(荒波事務局長)
事務局の住所、電話、代表者の名前は必ずチェックするように。今回の 「おさむちゃんを
救う会」の連絡先は「設置予定」と不明瞭だった。また、通常「救う会」は第三者によって
結成されるので、「募金を管理する代表者や会計責任者に患者の家族や親族がなることは
ないと思った方がいい」(同)。
募金の振込先についても、指定が1つというのは不自然で、募金者が振り込みやすいように
都市銀、地方銀、ゆうちょ銀など3-4行の指定があるという。(一部略)
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