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世界の古典文学の最高傑作とされる紫式部の「源氏物語」の仏語版豪華本
(翻訳・ルネ・シフェール)がこのほど、フランスで出版された。
12-17世紀の絵巻やびょうぶ絵など520点の絵画が収録された全3巻1256ページにのぼる大書は、
源氏物語の名が「紫式部日記」に記されてから1000年、日仏修好条約150周年、
京都・パリ姉妹都市50周年にあたる来年を飾るのにふさわしいといえそうだ。
仏語版「源氏物語」を出版したのは世界の傑作を絵画入りの豪華版で
出版しているパリのディアンヌ・ドゥ・セリエ出版。
7年の準備期間を経て出版にこぎつけた同社のディアンヌ・ドゥ・セリエ社長は、
「源氏物語は日本文化の繊細さや洗練さを示すのに最適。しかも女性によって書かれたというのは驚きだ。
この本によってフランス人の多くが日本文化の素晴らしさに接してもらいたい」とうれしそうだ。
「源氏物語」を同社の豪華本シリーズに加えることを決めたのは2000年。
日本画の山口華楊の画集の出版企画で、「源氏物語」の仏語訳者で国立東洋言語文化研究所
(INALCO)初代所長だった日本文学の権威、ルネ・シフェール氏(2004年死去)に出会ったときだ。
シフェール氏は当時、病床にあったが、「源氏」の翻訳に10年を費やし、翻訳中は
「源氏物語にとりつかれた」と述べ、その魅力を熱心に語っていたという。
「源氏物語」に関する絵巻が登場しはじめたのは12世紀末で、17世紀の江戸時代まで
多くの作品が誕生したが、最も古い12世紀の作品は世界に約20点しか存在しない。
出版に当たって最大の難関は520点の収録絵画の版権問題。
米ニューヨーク・メトロポリタン美術館や日本の徳川美術館、五島美術館のほかに、
個人所有の作品の中には門外不出のものも多く、何度も拒否された末に、
冗談まじりに「仏教に改宗せよ」と要請されたこともあったとか。
2500点の絵巻やびょうぶ絵から厳選し収録した520点の絵画にはINALCOの
エステル・レジェリー・ボエール准教授が解説を担当しており、絵巻物など日本独自の美術形態も紹介している。
ソース
URLリンク(sankei.jp.msn.com)