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社会保険庁が岩手県花巻市に建設した温泉宿泊施設「国民年金健康保養センターはなまき」が、
社保庁OBのセンター長(66)自らが設立した会社に、随意契約で清掃業務などの人材派遣を委託
していたことが21日、明らかになった。センター長は同庁の指摘を受けて会社の社長を辞める6月
までの7年半、センターと会社の双方から報酬を得ていたという。
同センターは年金保険料の還元事業として80年に開業した。同庁の委託を受けて岩手県と盛岡市、
花巻市が出資する県国民年金福祉協会(理事長・大石満雄花巻市長)が運営している。
センター長は社保庁OBで、98年4月に天下りし、同協会の常務理事兼務でセンター長に就任。
「経営改善のため」として、99年10月に有限会社金矢温泉商事(資本金300万円)を設立し、
センター従業員を有限会社に移す形で、清掃や施設の保守点検、スナックの営業を外注化した。
客の送迎用の車やカラオケ機器なども有限会社からのリースにした。
06年度の同センターの業務委託費は総額3200万円。そのうち、有限会社への委託費は530万円、
リース料は約60万円にのぼるという。
一方で、センター長は有限会社の代表取締役に就任。センター副支配人(52)を取締役にした。
役員報酬として、センター長は月10万円、副支配人は5万円をそれぞれ受け取っていた。
協会職員の服務規律では、他の職業に就く時は許可が必要で、地位を利用して自ら利益を得る
ことも禁じている。センター長は代表取締役就任にあたり理事会の承認を得ていなかった。
センター長は「経営を改善する最善の方法と考えたが誤解を招く余地があったかもしれない」と
話している。
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