07/10/14 21:13:37 0
(>>1のつづき)
06年度に窓口で5000件を超える出生届を受理した東京都大田区は「使える文字かどうかの
チェックが第一。文字が使えるものであれば、親の意向を原則尊重する」と話す。「稀星」を
受理した富山市も「『悪魔ちゃん』のように子どもの将来に不利益になりそうでなければ
受理する」という立場だ。
一方、再考を促した立山町は「法務省が求めているし、辞書にない読みであれば、親に
必ず確認するべきだ」と話す。
ベネッセ・たまひよ部は、「縁起のいい画数」に加え、
「響きのいい音」にしたい親の思いが、本来の読み方にはない漢字をあてるケースが
出てくる一因だと分析する。
「稀星」の場合も、「きらら」という響きがいいと夫が希望し、呼び方がまず決まった。
漢字はその後、縁起のいい画数を名づけ辞典から探したという。
同部の名づけ担当・石原竜也さんによると、「名前の読み・漢字ランキング」を見て、
「読みは人気のあるものに、漢字はあまり使われない字を使おう」と考える親も多い。
「名前は子どもへの最初のプレゼント。唯一無二のものにしたいとの思いが強いのでは」
「オーダーメード」で名づけをする会社もある。97年に創業した日本育児研究社(大阪市)は、
インターネットや電話で受け付け、「名字に合う画数の名前」などをリストアップ、冊子に
まとめて提供している。これまでに約23万件の利用があったという。
珍しい名前で困ることはないのだろうか。
「日本の漢字」の著書がある笹原宏之・早稲田大教授(日本語学)は、「なまぐさい」の
意味を持つ「腥」を使いたがる親がいると知り、驚いた。「夜空に輝く月と星だからロマン
チックだと感じてしまうのだろう。意味を考えず、字面のイメージで使おうとする親が
増えているのではないか」と警鐘を鳴らす。
「日本語練習帳」などの著書で知られる国語学者の大野晋さんは「漢字教育が衰退し、
漢字の意味を深く考えない人が増えているのではないか。日本語全体がカタカナ化、
英語化しているいまの流れの一つと言えるだろう」と話している。 (以上)