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浜松市天竜区水窪町の大沢地区で、柴犬(シバイヌ)が人命を救った。
急斜面を転落、意識不明となった男性の事故をほえて周囲に伝え、
発見された男性は九死に一生を得た。住民たちは「地元の誇り」と忠犬の活躍を喜んでいる。
事故が起きたのは9月8日。同地区の永井修さん(76)が茶畑で農作業中、足を踏み外して転倒した。
斜度50度近くある急斜面の茶畑から転げ落ちた永井さんは右半身を強打、気を失った。
「キャン、キャン、キャン!」―。
めったにほえない柴犬の「ジョン」(オス4歳)が、永井さん宅前でほえた。
ジョンは普段、修さんの後ろを付いて歩き、農作業をする修さんの近くで遊んでいる。
修さんの近くを離れ、異常にほえたてるジョンの様子に胸騒ぎを感じた妻の美智子さん(72)は、
隣に住むジョンの飼い主の別所賞吉さん(74)とジョンの後を追いかけた。
たどり着いた茶畑の中には、右目の下から出血して顔面を血に染めた修さんが倒れていた。
美智子さんによると、修さんの顔は、内出血していたのか、どす黒くなっていた。
目の前の光景に、足がガクガク震えたという。
救急車で市内の病院に運ばれた修さんの意識が戻ったのは、事故から3日目だった。
修さんは、目が覚めて見た集中治療室の白い天井を今でも忘れないという。
一時は右目の失明も危ぶまれたが幸いにも免れ、脳は後遺症が残るほど強打していなかった。
切れた目の下を縫合し、20日ほど入院した。9月末にようやく退院できた。
修さんは「ジョンがいなかったら、今ごろどうなっていたか分からない」と振り返り、
妻の美智子さんは「ジョンが教えてくれなかったら、主人は出血多量で生きていなかったかもしれない」と話す。
修さんは現在、リハビリに励み順調に回復している。
ジョンは何事もなかったように、庭先でのんびりとくつろいでいる。
ソース
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