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・自民党が惨敗した今年7月の参院選で、全国最大の指定暴力団「山口組」(本部・神戸市)が
傘下の直系組織に民主党を支援するよう通達を出していたことが11日、関係者らの証言で
わかった。警察の取り締まり強化で資金源が断たれつつあるなか、政治的な影響力を発揮
することで存在感を誇示するとともに、新たな利権への参入を狙った可能性もあるとみて、
兵庫県警や大阪府警などの捜査当局も注目している。
関係者らによると、参院選に関する通達は公示直前、山口組本部から90人以上いる
全国の直系組長に電話で伝えられた。その通達の中で判明しているのが「民主党を支持
せよ」との内容だった、という。
実際に愛媛では、初当選した元Jリーガーの友近議員(32)への票の取りまとめの報酬と
して有権者に現金提供を約束したとする公選法違反の疑いで、山口組系松山会伊藤会
幹部を逮捕。暴力団関係者は「候補者とは面識もないまま、『民主党支持』の通達を実行
したのではないか」と証言している。
警察当局は暴力団の資金源の封じ込めを展開しており取締りを強化している。
自治体でも暴力団の公共工事などから締め出しを進めており、その結果、長崎市長銃撃を
はじめ、小さくなった資金源のパイをめぐるトラブルとみられる発砲事件が増加している。
従来、暴力団は関係のある業者を公共工事の下請けに参入させることなどを目的に与党
支持に立つケースが多かったとされる。しかし、暴力団に対するこうした締め付けに強く
反発、民主支持への通達につながった可能性がある。
ただ、関係者の中では「通達があっても、末端で守られたかどうかは疑わしい」としている。
民主党の報道担当者は「周辺からも内部からも、そういった話は一切出ていません。
うちが応援をお願いしたわけでもないですし…」と困惑気味に話した。
また、暴力団問題に詳しい作家の溝口敦さんは「山口組がそうしたスタイルで選挙に介入
したというケースは聞いたことがない。ただ現実に古参幹部の相次ぐ引退などで組織の
世代交代が進んでおり、事実であれば、従来にはなかった組の姿勢が表出し始めたと
いえる」と話している。(一部略)
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