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台湾、「民主化」一層の深化へ １０日に双十節
台湾は今月１０日、「中華民国」成立の原動力となった辛亥革命（１９１１年）を記念する双十節を迎える。
今年１月には日本の新幹線技術が海外で初めて採用された「台湾高速鉄道」（台湾新幹線）が開通。世界の最先端を
走る半導体技術やＩＴ（情報技術）も引き続き台湾を牽引（けんいん）する。行政院（内閣）主計処は対外貿易拡大を背景に、
２００７年通年の経済成長率を４・５８％と予測。０８年を４・５１％成長と見込むなど、安定感のある発展の持続を展望する。
民主化の一層の定着で国際社会における台湾の地位も着実に前進している。（台北 長谷川周人）
■国際社会での地位着実に前進
台湾で初めて選挙による政権交代を実現した陳水扁総統の誕生から７年。総統はこの間、「台湾人意識」という「国家」として
の新たな共同体意識の浸透を図り、「自立化路線」の推進で台湾の存在を内外にアピールした。「民主台湾」の構築にはなお課題が
残るものの、台湾の将来を大きく左右する次期総統選を来年３月に控えて、陳政権は民主化のさらなる深化を目指し、執政８年の総仕上げに入る。
陳総統は、就任７周年を迎えたこの５月の記念演説の冒頭、独立を党是とした民主進歩党政権の発足に伴う地域の不安定化を
危惧（きぐ）する野党の批判に反論。「われわれは政治を国民に戻し、台湾海峡の和平を確保して、台湾に対する国際的な信頼を得た。
これは台湾の国際社会における活動空間の開拓、発展に重大な意味を持つ」と主張した。
やはり５月の世界保健機関（ＷＨＯ）の年次総会に続いて、９月の国連総会で、初の「台湾」名義による加盟申請にこぎ着け、
「自立化」への大きな一歩を踏み出した。中国などの反対で加盟は阻止されたものの、台湾の存在を国際社会に印象付けたほか、
「台湾人意識」を高揚させることにより「団結」を強化した対内的な意義は大きい。
>>2以降に続く