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魏(ぎ)の恵王(けいおう)が卜皮(ぼくひ)に尋ねた。
「そなたは私の評判を聞いておろうが、どのようなものか?」。
卜皮は答えて、「私は、王さまの慈悲深く恵み深いことを聞いております」と言った。
王は大いに喜び、「それなら、その効果はどういうことになろうか?」と尋ねた。
答えて「王さまのご成果のゆきつくところは亡国でありましょう」。
王は驚いて尋ねた。
「慈悲深く恵み深いのは立派な行為ではないか。
それが亡国にゆきつくとはどういうことだ」。
卜皮は答えた。
「そもそも、慈悲深い人は同情心に厚く、恵み深い人は施しを好むものです。
しかし、同情心に厚いと、過失がある者を罰せず、施しを好むと、
功績がない者にも賞をあたえます。過失があっても罰せられず、
功績がなくても賞を受けられるとなれば、やがて国が滅びるのは当然でありましょう」。