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今年3月に87歳で亡くなったつくば市出身の男性が、遺言により同市社会福祉協議会
(久保田尚勇会長)に約1億円を寄付した。これを受け、同協議会は3日、親族に感謝状を
贈呈した。
寄付したのは故・皆川重兵衛さん。生前、資産を銀行に託し、死後、銀行を通じて同協議会に
大金が寄付された。
皆川さんは大正8年、旧田井村(現つくば市)の生まれ。父が眼科医という裕福な家庭で育ったが、
戦後の混乱や病気による父の医師廃業で一度は、資産を失った。その後は、日用品やお茶などの
行商をしながら両親と3人で倹約生活を送り、蓄財したという。
生涯独身。最近は近い親族もなく、平成16年からは石岡市の特別養護老人ホームに入所。
周囲には日頃から「私が死んだらびっくりする」と口にしていたという。
その「びっくり」の内容が明らかになったのは今年5月。都内の銀行から同協議会に突然、
「遺贈金についてお尋ね」という文書が届いた。平成8年9月に記した遺言状には「つくば市の
老人や貧困者、孤児などの救済と社会福祉の向上に役立ててください」と記されていたという。
久保田会長は「皆川さんの遺志を尊重しながら、特別寄付金としてワーキングチームや役員会で
使い方を検討したい」と話している。
最終更新:10月4日7時50分
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