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鳥インフルエンザの大量発生を阻止する切り札として期待されている
抗インフルエンザ薬のタミフル(Tamiflu)が、逆にウイルスの耐性を強めて
しまう可能性があるという研究結果を、スウェーデンの研究チームが発表
した。
タミフルは、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)ウイルスのヒトへの感染
拡大を防ぐ目的で現在、各国が備蓄を進めている。ところが下水処理
される過程でも分解されずに残るため、自然界に存在する鳥インフルエンザ
ウイルスが突然変異を起こし、耐性を獲得してしまう危険があるという。
この研究結果は3日、米研究者グループ「Public Library of Science、
PLoS」が運営する電子ジャーナル「PLoS One」に掲載され、特に問題を
はらむ国として日本を挙げている。
(中略)
タミフルが大量に処方された場合、自然界で濃度が高まり、結果的に
H5N1ウイルスに耐性を与えてしまう可能性がある。鳥インフルエンザ
ウイルスは下水口近くでエサを取るマガモのような水鳥が感染すること
が多く、ヒトのインフルエンザウイルスと結合すれば、タミフルが効かない
新種のウイルスが作り出されるかもしれない。
■日本はタミフル耐性患者が多い
その危険が高いのが日本だという。スイスの製薬会社ロシュ(Roche)
の統計によると、2004~2005年のインフルエンザの最盛期に、日本では
1600万人が感染し、うち600万人がタミフルを投与された。その結果、
日本の自然環境には大量のタミフルが放出されたことになる。
実際、「日本はタミフルに耐性をもつ患者の増加の割合が高い」と論文
は指摘。2004年に英医学雑誌「ランセット(Lancet)」に掲載された研究
報告によれば、日本で感染した少人数の児童を調べたところ、18%が
突然変異ウイルスに感染しており、このウイルスのタミフルへの耐性は、
普通の場合に比べ300~10万倍高かったという。
ソース(AFP BB News) URLリンク(feeds.afpbb.com)