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奈良県田原本町の医師方で起きた放火殺人を巡り、中等少年院に送致された長男（１７）の供述調書などを
引用した単行本が出版された秘密漏示事件で、奈良地検などは２８日午前、京都大医学部教授（４９）の自宅
（京都市左京区）などを、関係先として捜索し、教授から任意で事情を聞いている模様だ。
この教授は長男の精神鑑定をした医師（４９）と著者でジャーナリスト草薙厚子さんの共通の知人。
地検は、調書の漏えいの全容解明を進める方針。
調べによると、鑑定医は、草薙さんに対し、父親や長男の供述調書の写しを提供、秘密を漏示した疑いが
持たれている。地検は、この教授が写しの受け渡しについて、何らかの事情を知っていた可能性があると
判断したとみられる。
この日の捜索は、午前８時過ぎから開始。地検の係官数人が段ボール箱を持って自宅に入った。
教授は今月１８日、読売新聞の取材に対し、草薙さんと鑑定医の両方と面識があることを認めたうえで、
「供述調書は見ていない」などと事件への関与を否定。単行本の出版については、「本が出版されるのは知らず、
驚いた。事前に連絡や相談があったら止めていた」と話した。
草薙さんとの関係は、「彼女は勉強熱心で、取材内容によっては、連絡が来る。アドバイスをしている」とし、
鑑定医については「同じ精神医学医で、最も信頼し、頼りにしている一人。鑑定資料を第三者に見せるなんて
信じられない」としている。
（2007年9月28日15時33分 読売新聞）
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