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Ernst Mayr の書いた本は読む価値がある、しかし、
養老孟司訳、エルンスト・マイアー著、『ダーウィン進化論の現在』、岩波書店、 1994
は大誤訳だらけなので要注意である。太田邦昌による次の批判を読めばわかる。
太田邦昌、「マイアーさんの思想 VS.養老孟司訳(1994)『ダーウィン進化論の現在』」、昆虫分類学若手懇談会ニュース、
No.76 (20/July/2000)、 pp.3-6、昆虫分類学若手懇談会事務局 (大阪府大・農学生命科学・応用昆虫学教室)
・マイアーと言えば「本質主義 (essentialism) 批判」と「種の実在論」で有名である。
例えば、 46頁では「唯名論者……とは対照的に、今日に至るまでナチュラリストたちは
種の実在をつねに一貫して支持してきた」とマイアーの主張が正しく訳されている。
ところが、養老孟司はキーワードの一つである "essentialism" を何十箇所にも亘って
全部“実在論”と訳してしまっている (11、 45、 62~77、 117、 133~143、 159、 197~199頁)。
そのせいで、上に示した部分以外の箇所では、マイアーが一貫して種の実在論を否定しているかの
ように訳されてしまっているのだ。例えば、 65頁では「実在論者にとって、進化はありえない」
などと訳されてしまっている。
・養老孟司は医学系の解剖学教授であるにもかかわらず、有名な人類学者・解剖学者「ブルーメンバッハ」
のことを驚くべきことに“ブルーメンタール”などと呼んでいる (28頁)。
・養老孟司は「接合体の二倍性」のことを驚愕すべきことに“配偶子の倍数性”などと訳し、
再びこの訳者の初等生物学的・初等遺伝学的無知ぶりを完全証明している (180頁)。
・養老孟司はこれ以前に岩波書店で『進化のタイムテーブル』という本を訳しているが、
これまた誤訳箇所が沢山あるものとして有名であった。
自閉症はやる気がない?
養老猛司は森村泰昌との対談 (『科学』2001年4+5月号から続いている6月号) の中で
次のように述べている
「まず問題は,言語ができないのか,やる気がないのか.
自閉症の場合,典型的にやる気がないんです.
あとで突然喋りだす子がいるんだから.」
(『科学』2001年6月号、684頁、右段15-17行目より)