07/09/17 13:25:21 0
10年ぶりの再会。かつて夢中になった“彼”が帰ってきた。
信じては裏切られ、魅せられてはまた戻る。甘い悪夢のような日々を
忘れようと決心していたはずなのに、ひとたび姿を見てしまえば、あっさり
誓いは破られる。
95年にテレビ放送スタート、謎めいた物語と斬新な映像で社会現象に
までなったアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」だ。今月1日から、10年ぶり
となる新作映画「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」が公開されている。
当時、エヴァと蜜月を過ごしたファンにとっては、昔の恋人が出現した
ような騒ぎ。期待するなというほうが難しい。公開初日に日経新聞が1面
コラム「春秋」でエヴァと取り上げたことも、その期待感の表れだろう。
エヴァが社会現象を引き起こした理由のひとつに、監督、庵野秀明に
よる物語崩壊があった。
前半はよくできたSFアニメとして展開していたが、後半からそれまでの
アニメの常識では考えられないような結末へとエヴァはひた走っていった。
裏切られたファンは賛否両論。単なるアニメの枠を超え、アカデミズム
も巻き込んで、エヴァ論争は繰り返された。批評家、東浩紀は「庵野は
アニメを再生させた。しかし同時に彼はアニメへ終止符も打った」と指摘
した(『郵便的不安たち♯』)。
また同じことが繰り返されるのではという不安もあったが、結局“彼”の
ことが気になって、封切り直後に見に行ってしまった。
さらに、その姿を目に焼き付けておきたくて、2度目も同じ劇場に足を
運んだ。10年の年月は、確かに流れていた。以前の物語をそのまま
踏襲するようで、明らかに異なるラストが用意されている予感がある。
来年以降、続編3作が公開される予定という。昔のままではない“彼”
とのつきあいはまだ始まったばかり。結論を早まりたくはない…と思い
にふけっていたら、大学時代の友人からメールが届いた。
「久しぶり。もうエヴァは見た? 今週末、見に行かない?」
1度や2度の逢瀬なら好奇心だったと言い訳できるが、3度目になったら、
それは「本気」。メールの返事はまだ書いていない。
ソース(イザ!・SANKEI EXPRESS、猪谷千香氏)
URLリンク(www.iza.ne.jp)