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★学会の批判に反論…宇和島徳洲会病院調査委 移植容認、姿勢変わらず
宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)の万波誠医師らによる病気腎の移植問題で、
同病院の調査委員会が8日、半年ぶりに大阪市内で開かれた。院内での摘出6件、移植11件について、
一部を除いて容認する意見が大勢を占め、臨床研究として行う可能性を追求すべき、とした。
委員会の開催はこれが最後で、個々の症例の評価は追って報告書にまとめるが、関係学会や
厚生労働省の見解と対立する結論となる見通しだ。
委員会では、日本移植学会などの医学的見地からの批判に対し、
「がんの腎臓の移植は豪州・ブリスベーンの病院で行われている」などと海外の事例をもとにした
反論が多く出た。ただし、ネフローゼ患者からの両腎摘出・移植には「私なら摘出しない」
「実験的医療で、倫理委員会にかけるべき」などと批判が出た。
調査委員は12人。前回3月3日に比べ、5人が外れ、藤田士朗・米フロリダ大准教授(移植外科)、
難波紘二・広島大名誉教授(病理学)、越智貢・広島大教授(哲学)、米倉久邦・元共同通信論説委員長の
4人が加わった。
しかし、関係学会から派遣され、すべての症例に「容認できない」とする意見を前回出していた
雨宮浩・元移植学会理事ら専門委員4人は「新しい委員構成でも公平性が担保されない」などとして欠席した。
計42件の病気腎移植をめぐる調査委で、結論がまだなのは同病院だけ。
関係学会は3月末、「現時点で医学的妥当性がない」との声明を発表。
厚労省は7月、臓器移植法の運用指針を改定し、臨床研究で行う場合以外は禁止した。
委員会の模様は別室の報道陣にモニター中継された。万波医師は終了後の記者会見で
「臨床研究をさせてもらえるなら、できるだけ早くやりたい」と述べたが、会見場を出ると、
「まるで極悪人のように言われ続けてきた。自分から積極的にはやらん。こりごりや」と
疲れた表情で語った。
讀賣新聞 URLリンク(osaka.yomiuri.co.jp)