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日傘をさす男性が増えている。熱中症が相次いだ猛暑の中、「女性専用」だった日傘の
効用に気づいたらしい。インターネット上の傘専門店には、全国から注文が殺到、
百貨店にも問い合わせが相次ぐ。9月に入っても猛烈な残暑が続く日本列島。有害な
紫外線(UV)への対策もあって、「男の日傘」はじわじわと人気を広げているようだ。
「以前は『男が日傘なんて』と言われたけど、今年は違った」
05年から日傘を使っているという大阪市生野区の会社役員児玉義弘さん(34)は話す。
スーツ姿での夏場の外回りは強烈な日差しをじかに受ける。知人の勧めで日傘を
さしてみたら、暑さがしのげるうえに肌も焼けなかった。
児玉さんの勧めで日傘をさすようになった別の知人も「使ってみたら、めっちゃ涼しい」
と喜んでいるという。
1896(明治29)年創業の老舗(しにせ)傘店「心斎橋みや竹」(大阪市西成区)は、
ネット上の店舗に黒、紺、ベージュ、柄ものなど10種類以上の男性用日傘をそろえる。
価格は1万円からと少々高めだが、今年は夏になると全国から注文が次々入った。
すでに例年の600本を超える800本以上が売れた。
4代目店主の宮武和広さん(48)は「今年のようにひどい日差しでは、男性も『格好悪い』
とか言えなくなったのでは」と推測する。「まだ市場は小さいが、来季はラインアップを
もっと増やし、日傘をさす男性を応援したい」と意気込む。
カラフルな女性用日傘がほとんどを占める百貨店でも異変が起きた。
そごう心斎橋店(大阪市中央区)でも男性用はごくわずかしか置いていなかったが、
今年は「男物はありますか」などの問い合わせが数多くあったという。来夏の品ぞろえについて、
同店は「増やすことも検討したい」。
神戸大学名誉教授で、皮膚科医院「サンクリニック」(大阪市北区)の市橋正光院長は
「男性の肌は女性と比べて毛穴が広くて脂っぽく、日焼けで赤くなりやすいので日傘をさすのは
体によい。世界保健機関(WHO)も紫外線の有害性を強調しており、健康と美容の
両面から『日焼けはよくない』と考える男性が増えているのではないか」と話している。
*+*+ asahi.com 2007/09/08[15:35] +*+*
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