07/09/03 20:39:55 0
(略)
ネットカフェ難民のほとんど全員が、現状からの脱出をしたがっているという。だが、それは非常に
困難なのである。
その理由は二つある。
一つは住所がないことだ。住所がなければ正社員としての就職もままならない。しかし、家を借りようにも
現住所がないことには、なかなか貸してもらえない。禅問答のようだが、家がないから家が借りられないのだ。
そのために、正社員になって安定した金をかせぐことができないのである。
もう一つは、まとまった金を持ち合わせていないことである。都会で家を借りようとすると、敷金、礼金、家賃
前払いなどで40万~50万円、どんなに安くても10万円はかかる。ネットカフェ難民は、日雇いの仕事によって
普段暮らしていく金は稼げても、そうしたまとまった金は用意できない。それがネットカフェから脱出できなくなる
最大の理由なのだ。(略)
この問題を放置すると大変なことになるとわたしは考える。というのも、これは形を変えたスラムだとわたしは
思うからだ。「いくら努力しても悲惨な境遇から抜け出せない」という人たちが集まることで、現代日本には
存在しなかったスラムが、今、出来ようとしている。そしてそれは、従来の形のスラムとは違った、いわば
地域横断的な新しい形の「分散型スラム」である。
スラムには社会不安や犯罪の種がまかれる。早いうちにその芽をつまないと、あとで取り返しのつかないことに
なるだろう。
厚生労働省も事態を重くみて、ネットカフェ難民が金をためられるように、資金管理の支援をするという。
だが、それよりも大切なことは、彼らが住む場所を得られるようにアパートを借りる資金を融資することでは
ないだろうか。
ネットカフェ難民はニートやホームレスとは違い、ある程度の仕事の能力を持ち、仕事をしたいと思っている人が多い。
いったん家を借りさえすれば、毎日の生活をするだけの金は稼げるのだ。
彼らは働きたがっている。要は、住所さえ確保すればなんとかなる話なのだ。言ってみれば金で済む
話なので、ニートやホームレス対策よりはるかに解決は簡単なのである。(略)
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