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▲ 朝日新聞社 社説 2007年09月02日(日曜日)付 ▲
『日本は不信の根を断て―防衛も情報開示を』
来日した中国の曹剛川国防相に同行している中国報道陣が、
海自の潜水艦や米海軍のイージス艦を隠し撮りしていたことがわかった。
防衛省は文書による正式な抗議を検討しているという。
だが、ちょっと待って欲しい。中国メディアのこうした強引なやり方は、
ともすれば誤解を招くかもしれないが、そもそも両国の不信の根を作ったのは日本だ。
小泉前首相の度重なる靖国参拝、イラク・アフガンへの派兵、ミサイル防衛(MD)の導入、
そして、「戦後レジームからの脱却」を言い放つ安倍首相は集団的自衛権の行使を容認する構えだ。
米豪印などとの軍事演習も控えている。
こうした日本による数々の挑発が中国を脅かしてきた。
機会があれば、日本の現状を把握したいという気持ちは理解できる。
日本政府には中国人民の不信感を解くため、積極的に情報を開示すべきではないだろうか。
これまで軍事機密とされていたことでも、アジアの緊張を解くためならば公開するべきだ。
そうして緊張が解けるならば、真の意味での平和に繋がっていくだろう。
こちらから胸襟を開いていけば、わだかまりは解けるはずだ。
大切なのは安倍首相の「主張する価値観外交」ではなく、アジアらしい「調和の外交」である。
民主党の小沢党首はテロ特措法に反対し、海自を撤退させる意向を明確にした。
まずは武器を収め、こちらから話し合いを持ちかけるということだろう。
こういう調和外交がアジアからの信頼を築いていくうえで大いに重要だ。
防衛省は今回の出来事のみによって正式な抗議などせず、
今後も日中の防衛交流を続けていくべきである。これは絶やしてはならない。
また、今回の事件によって、権力に切り込んでいくメディアの姿勢に感服した。
そういったハングリー精神を忘れてはならないと、同じジャーナリストとして襟を正したい。