07/08/27 14:40:53 /+/bpt4pO
>>828
まあ有難がって頂いて差し支えない程度には評価しているつもりですよ。
まともというのは筋道を通して話を進めているということで、
スレの流れに抗って一人そうあるというのは大したこと。俺ならやらんし。
「死刑存置側が証明すべき」というのは確かにそれ一文を見る限りでは一理あるんだが、
それを言うと多くの法システムが機能しなくなるんよ。
犯罪カタログも段階的刑罰も、その存在を正当化する統計学的根拠なんて無いんだよね。
あるのは法学的に構築された論理と、それの元となる社会的了解で、
多くの法システムはそれらにより存在を擬制されたものだと言える。
ましてや凶悪犯罪いうのは、関連する因子が多く、また発現自体は少なく、
有意性のある社会的観測が難しい。
そのようなものにつき、通常は無い挙証責任を負わせることは、非常に違和感があるし
不誠実だと思うんよ。それが許されるなら抑止刑論自体を否定することも出来る。
実際賢明かつ中立的な法学者は無いと断定することは避ける。
少なくとも統計学的根拠の無いことを以て無いと断定することは避ける。
また一般社会レベルの話だが、こちらもまたソリッドだ。確かに凶悪犯罪につき死刑が
抑止効の無い旨の意見は聞く。しかし以て世人を納得せしめることが出来たか?
否、世間は常識という名の社会的了解などから、抑止効無しとは見ない。
それが現にある状態なのであって、積極的証明で彼らを説く必要があるのは、
なにをどう言おうとも現実問題として廃止側なのだ。
つまり法律家的にも一般社会的にも同意を躊躇する論を前面に推すのは得策ではなく
思慮が足りない。賢明な廃止論者ならこの方面は留保し、法律家のリベラルな心を
くすぐり、一般人を説得できる論を展開するものだ、
という携帯からの長いお話でした。