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この夏、読売ウイークリーと日本自然保護協会、NTTレゾナントが共同で実施中の参加型
プロジェクト「自然しらべ2007 夏休み セミのぬけがらをさがせ!」に、全国から約1000件
の抜け殻の写真と、約6000個の抜け殻の現物が届いた。東京でこれまであまり見られ
なかったクマゼミの抜け殻が発見されるなど、温暖化などの影響で、セミの生息地図にも
変化の兆しが表れている。
プロジェクトの中間報告によると、抜け殻6000個のうち、アブラゼミがほぼ半分を占め、
クマゼミが2割、ニイニイゼミが1割などとなっている。
専門家が注目しているのは、西日本から東日本へと分布が拡大しているとされるクマゼミの
調査結果。現物の分析を担当する神奈川県・厚木市郷土資料館の槐(えんじゅ)真史学芸員
によると、1995年に環境庁(当時)が調査した時より、都内でクマゼミが見つかる頻度が高く
なっているという。
その原因は、成虫が自分で飛んで生息地域を広げているのではなく、〈1〉公園などの植栽
と一緒に幼虫や卵が持ち込まれる〈2〉成虫を持ち込んで都内で放す人がいる―などの
人為的なものが大きいとみている。ただ、これが定着し、繁殖し始めた背景には、都内の気温
上昇が大きく関与しているようだ。
「国内の樹木の移動は昔から行われていたので、都内にもクマゼミの幼虫が持ち込まれていた
はずだが、東京の冬の低温を乗り切れなかった。近年、クマゼミが都内で繁殖するようになった
のは、ヒートアイランド現象や地球温暖化の影響で、幼虫や卵が冬を越せるようになったため
だろう」と、槐学芸員は解説する。
大阪市立自然史博物館の初宿(しやけ)成彦学芸員も、かつてはアブラゼミが多かったのに
今はクマゼミが圧倒的に多くなっている大阪の例を引いて、東京の気温は夏も冬もクマゼミが
繁殖できる気温に達しているとし、「今の東京は、1970年代の大阪と同じ状況と考えられる。
2030年ごろには、東京は今の大阪のようにクマゼミだらけになる可能性がある」と警告している。
■以下省略
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