07/08/23 12:37:36 yZrzDdLI0
ムーア監督の「ドキュメンタリー」は注意してみたほうが良いと思うところが多い。
どんなことにもプラスの面とマイナスの面がある。ムーア監督はそのマイナスの
面だけを極端に誇張して表現しすぎているように感じる。
例えば、アメリカはなんといっても世界の医療技術の最先端を行っており、
臓器移植のシステムなども充実しているので、技術面でも法整備でも
絶対的にアメリカに遅れをとっている日本で臓器移植が必要な人は
アメリカに渡って治療を受けることができなければ死を待つことしかできない。
これが日本と比べた場合のアメリカ医療のプラスの面だ。
一方、アメリカの医療は日本のような医療保険制度がないために
お金がない人には満足な医療を受けることができない人も多い。
これがマイナスの面だ。
ムーア監督はこういうプラスの面とマイナスの面のうち、マイナスの面の中で
非常に極端な部分を、持ち前の映画手法によって、あたかもそれだけが
全てであるように絶望的な表現をするのがうまい監督なのだ。こういう才能が
政治プロパガンダに利用されると、それこそが非常に怖いと感じる。
ムーア監督の表現能力は一種の才能ではあるが、鵜呑みにせず見る側も
客観的に判断できるように心がける必要があるのではないかと思う。