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法務省は、飲酒運転根絶のため全国の刑事施設（刑務所、少年刑務所、
拘置所）で交通安全指導の教育プログラムを強化する方針を固めた。
全７５施設の半数以上に当たる４６施設を指定し、今年度以後「飲酒の害」
などについて、約５０分の講義を１０回前後行う。また、来年度以後は
アルコール依存症の自助グループの協力も仰ぎ、「民間活力」による
再犯防止も進める。
昨年８月、福岡市で幼児３人が犠牲になった飲酒・追突事故を機に、
政府の中央交通安全対策会議で各省庁の取り組みを議論。飲酒が
許されない刑事施設での指導を強める方向で意見が一致した。
同省は昨年度、千葉県の市原刑務所など計２０施設で交通安全指導
の教育プログラムを先行的に実施。今年４月以後も実施施設を拡充して
いる。講義には、「道路交通法」や「被害者感情とは」などの内容も含まれ、
交通法規の順守や被害者遺族に対する謝罪のあり方などを指導する。
また、各地の「ＡＡ」（アルコホーリクス・アノニマス）や「断酒会」など
自助グループのメンバーを外部講師として招き、依存症からの回復指導
も強化する。
ＮＰＯ法人「ＡＡ日本ゼネラルサービスオフィス」の担当者は「出所した
とたん、酒に手を出す人も多い。多くの施設の中で、アルコール依存は
病気であるという意識を徹底させれば、更生の効果は高いはず」と期待
する。約１万人の会員がいる社団法人「全日本断酒連盟」（東京）も協力
に前向きだ。
法務省矯正局によると、ひき逃げや危険運転致死などの交通事件を
起こして服役する受刑者は約３０００人（昨年１２月現在）で飲酒運転は
その約３分の１を占める。同省幹部は「依存症が疑われる受刑者も
少なくない。再犯を防ぐためには法の厳罰化だけでなく、酒を遮断する
習慣を付けさせることも必要」と指摘する。
ソース（毎日新聞） URLﾘﾝｸ(www.mainichi-msn.co.jp)