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★直下の衝撃-中越沖地震1ヶ月<1>原発の心臓被害不明 見えない出口
・新潟県中越沖地震から三週間が過ぎた八日、東京電力柏崎刈羽原発の被害を調べる
国の調査対策委員会のメンバー約十人が現地を訪れた。
委員長の班目春樹東京大教授は、手を腰に当てたまま黒こげになった3号機の巨大な
変圧器を、じっと見上げた。
「大きな地震が来たらどうなるか。頭の中ではシミュレーションしていた。だが、火災への対応も
必要だし、反省すべきこともある」
原子力工学の専門家として、地震に襲われた原発の姿を思い描くことも一度ではなかった。
だが、現実はそれを超えた。
「一年で再開はありえない、とくらいしか今は言えない」。運転再開の見通しを問われた班目
委員長は、そう答えるのがやっとだった。
答えに困るのは、おそらく班目委員長だけではない。原発の心臓部といえる原子炉圧力容器の
中は、まだ誰も見ていないからだ。
地震で6号機のクレーンが破損するなどして、閉じられた圧力容器の鋼鉄のふたが開けられる
めどはたっていない。
重さ九十トンのふたの下には、どんな光景が待っているのか。内部の状況によっては、
今後の原発のあり方が大きく変わる可能性もある。
「制御棒が曲がっているかもしれない」
独立行政法人原子力安全基盤機構の蛯沢勝三・解析評価部長は話す。
原子炉に危険が迫ると、燃料と燃料の数センチのすき間に、板状の制御棒を一秒余りで挿入し、
核反応を止める。原子炉のブレーキ役だ。
三年前、想定の約三倍の地震動を加えながら制御棒を挿入する実験が香川県の研究施設で
行われた。挿入はできたものの、途中で燃料や枠にぶつかって、制御棒の表面がゆがんだ。
今回、1-5号機の地震計では、軒並み設計の二倍前後の揺れに襲われた。2号機の地下では
最大で三倍を超えた。(>>2-10につづく)
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