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世襲議員の弊害が一挙に露呈した-参院選での自民大敗や後始末を
見てそう思う。
自民党で国会議員の二、三世が三割前後を占め、政権中枢を担って
かなりたつが、その弊害が安倍政権混迷の根底にありそうだ。悪役を
演じた「ばんそうこう大臣」の赤城徳彦前農相は偉大な祖父の地盤を
受け継ぐ。これをかばって危機管理や人事のまずさを見せた安倍晋三
首相は三世、取り巻きにも世襲が多い。
大敗の象徴は農村や地方都市である。長い間自民党の基盤だったが、
いまや「小泉改革」が決定的にした地方格差に苦しんでいる。しかし地方
選出の世襲議員の多くは、親の仕事場である東京生まれの東京育ちだ。
地方の生活感が薄い中で、住民の悲鳴は耳に届かなかった。
世襲議員は、本人の資質にかかわらず、議席確保のため担ぎ出される。
地盤、看板、カバンが保証されているからだ。カネの問題で細かいことまで
説明する必要はない。多少の非難があっても、選挙で落ちることはない。
そして数合わせで出てきた議員にとっては数の論理が最優先。かくして
選挙直前の国会では強行採決が乱発された。
民意や議会制民主主義の軽視、こうした世襲議員が陥りがちな弊害が
有権者の拒否反応を招いた。こんな調子で憲法を変えられたらたまらない
という民意も含めて。それでも続投という安倍政権に、これも世襲議員に
ありがちな独りよがりとみて、内閣支持率は下がり続けている。
もっとも大勝した民主党の小沢一郎代表も二世だ。野党での苦労が
民意への敏感さを養ったか。与野党逆転の参院を中心とした国会運営
が次の試金石になる。
ソース(東京新聞・小林一博氏)
URLリンク(www.tokyo-np.co.jp)