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「君子、豹変す」という。だが、一昔前の過激派の無節操な変わり身には、時として目を疑わ
ざるを得ないのだ。今春、邦訳版の出版が中止された『プリンセス・マサコ』という曰く付きの本
がある。改めて出版に手を挙げたのは、元日本赤軍メンバーが社長の出版社だった。
“皇室本”で一儲けを企む“元革命家”は、辻元清美代議士のパートナーだという。
ベン・ヒルズ氏(豪州ジャーナリスト、60代)が『プリンセス・マサコ―菊の玉座の囚人』を海外で
発売したのは昨年11月である。ごく大雑把にいえば、優秀なキャリア外交官だった雅子妃が、
皇室に嫁いで苦労されているという内容で、日本では『週刊朝日』が、発売直後にいち早く取り
上げ、著者インタビューしながら、本を紹介している。
ところが、その記事が、<雅子さまと皇太子殿下が考えていた皇籍離脱の「真相」>という、
原著にもない衝撃的なタイトルだったため、後に宮内庁から抗議を受け、週刊朝日が謝罪する
結果となったのだ。だが、原著の中身も決して大人しいわけではない。<お世継ぎを産む重責
を担った雅子妃は世界で初めて体外受精による不妊治療を受けた妃となった>、<雅子妃は
宮内庁長官から「女の子では不十分だから、男の子をつくるように」と命じられた>…等々、
そこここに日本国民が目をむくような記述が散見されたのである。
その一方、内容に誤りが多かったと指摘するのは、皇室ジャーナリストの神田秀一氏である。
「この本は、事実関係の間違いがかなり多く、少なくとも50箇所以上はありました。しかも、
根本的な事実誤認なので、本と呼ぶのに値するかどうか、正直、考え込んでしまったほどです」。
年が明け、宮内庁と外務省は足並みを揃えるように相次いで、著者や原著の出版元などに
抗議文を送付。特に外務省は、「皇室に対する事実無根の侮蔑的・抽象的な内容を有する、
極めて問題の多い書籍である」と、海外で出版された本に対し、強い口調で異例の非難を公に
行った。 (>>2-5に続く)
週刊新潮8月16・23日夏季特大号p180~183より。