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・北京オリンピック開幕が一年後に迫った。中国が二十一世紀の大国として立ち上がった
姿を世界に示す大会になる。成功とともに一層の開放に向かう契機になることを望みたい。
オリンピックは平和の祭典として各国の発展や開放を促す役割を果たしている。
北京五輪も二〇一〇年に開かれる上海万博とともに、十九世紀以来、侵略や動乱で辛酸を
なめてきた中国が、改革・開放で経済成長を加速。国力を充実させ東アジアの巨人としての
姿を取り戻したことを世界に印象付ける大会になるだろう。
それだけに、東アジアの平和と繁栄につながる大会として成功することを願う。中国が国家
目標としている台湾統一をめぐって緊張が高まるような事態だけは避けてほしい。
北京五輪に先立つ来年三月には台湾総統選挙がある。以前から、中国が軍事行動に出にくい
北京五輪の時期には台湾独立の動きが強まるという観測があった。中国にも台湾独立の動きを
封じ込めるため軍事圧力を高めるべきだとの主張がある。
こうした双方の事情を反映して台湾は中国の提案した聖火リレーのコースが台湾を中国の
国内扱いしていると通過に反対。中国側も台湾の対応を非難して対立したままだ。
五輪を平和の祭典とする意味からも双方が知恵を出し合い、聖火リレーを実現し緊張を緩和
すべきだ。
各国が国旗を振り回して応援し自国の名を連呼する五輪は国威発揚の場になりがちだ。
一世紀以上にわたって苦難の歴史を経験した中国で北京五輪が「中華」意識の高揚の場に
なるのは理解できなくはない。
しかし、二〇〇四年のアジアカップ・サッカーで日本の選手や観客が「反日」を叫ぶ民衆に
いやがらせを受けた記憶は生々しい。自国びいきが排外的な言動を招かないよう大会の
準備や運営に十分な配慮を求めたい。
故〓小平氏らが一九九〇年代から五輪の北京招致に尽力したのは中国での五輪開催が
改革・開放を一層促進する契機になるという期待があった。豊かで国力を充実させた中国が
国際社会で共に繁栄を分かち合える、頼りがいのある友人であることを示す実り多い大会に
してほしい。※〓は登におおざとへん (一部略)
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