07/08/07 07:34:45 1GJMPyty0
「広島、長崎への原爆投下が太平洋戦争を終結に導き、何百万人もの人命を救った」などといった
アメリカの正当化論は、一種の違法性阻却事由があるかのごとき主張である。
しかし、この理論(ばかばかしくて理論と呼ぶに値しないが)は、まず、単純に被害者の数、
それも一方はまだやってもいない作戦による将来の推定的損害と、現実にアメリカが惹起した
非戦闘員の大量殺戮による被害を比較衡量している時点で破綻している。
また、正当防衛、緊急避難の理論を援用することは、原爆投下によって守るべき法益が
現在のものでない時点で論理が破綻する。つまり、日本本土上陸作戦による損害はあくまで
仮定の下にあり、急迫不正の侵害でも、現在の危難でもないのである。
史実とは異なるが、仮にアメリカの主張するような効果が原爆投下によってもたらされたとしても、
非戦闘員の大量虐殺という国際法違反の行為が正当化されることはありえない。
東京裁判で人道に対する罪などという訴因があったが、原爆投下に係わったものがこの訴因で
起訴されない時点で東京裁判は戦勝国による茶番劇であると言える。
結論から言うと、このようなふざけた主張をせざるを得ない時点で、アメリカは原爆投下について
人道に反した国際法違反の行為であることを暗に認めたに等しく、良心の呵責に今も苦しんでいる
ことの裏返しなのである。