07/08/06 20:59:09 0
・今年の被爆地は昨年までとは、いささか様相が異なる。長崎出身で防衛相だった久間氏が
原爆投下について「しょうがない」と述べたことが、影を落としているのだ。
「原子爆弾を炸裂させた時、ひとは神さまを捨てて、みんな虫になってしまったのだとわたしは思います」
被爆2世である芥川賞作家の青来有一氏は、小説「爆心」で、長崎の被爆者の心境をこうつづっている。
人間が、これほどの大量殺人を犯すわけがない。まして、原爆が落とされたのは、長崎市でもキリスト教徒の
多い浦上地区だった。同じ信仰を持つ米国人が、そんな無慈悲なことをするとは信じられない。人間ではなく、
きっと虫になってしまったのだ。そんなあきらめにも似た思いが伝わってくる。
だが、それは「しょうがない」という気持ちとは違う、と長崎市の平和推進室長を務める青来氏は言う。
「多くの被爆者は長い時間をかけて過去の傷をのみこんできた。もうこの先、地球上で核兵器を使わない
ようにするのならと、心の中で決着をつけてきたんです」
被爆者には、仕返ししたい気持ちや恨みに思うことがあっただろう。だが、自分たちのような悲惨な
体験はこれで最後にしたい。そう考えることで、多くの被爆者は、仕返しや恨みの気持ちに折り合いを
つけてきたのだ。
そうした複雑な感情も知らないで、被爆体験のない人から「原爆投下はしょうがない」などと安易に
言われてはたまらないということだろう。
土山秀夫・元長崎大学長は、むしろ久間氏が「しょうがない」の後に続けた言葉に注目する。「国際
情勢とか戦後の占領状態などからいくと、そういうこと(原爆投下)も選択肢としてはありうるのかな」
という部分だ。
直接的には過去のことを語っているが、現代でも場合によっては、核兵器を使うことができるとも
聞こえる。現職の防衛相の言葉だけに、被爆者は怒りを増幅させたというのだ。
世界を見渡せば、インド、パキスタンに続き、昨年は北朝鮮が核実験をした。核保有5大国の核軍縮は
進まず、核不拡散条約(NPT)の信頼が揺らぐ。 (>>2-10につづく)
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