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長崎市で路面電車を運行する長崎電気軌道（佐藤龍太郎社長）の事故隠し問題で、
過去三年分の未報告事故を調査していた九州運輸局は二日、これまで明らかになった
四件のほかにも三十五件の報告漏れがあったと発表した。このうち十一件で計十三人が
打撲などのけがをしており、同局は早急に事故報告書と届け出書を提出するよう指示した。
同局は二〇〇四年度から今年六月二十四日までの四百二十一件の事故について、
同社から提出された資料を基に調査。このうち省令で報告が義務付けられた事故が
五十四件あり、三十九件を報告していなかった。
調査結果によると、報告漏れの内訳は▽軌道踏切内で車やバイクと衝突、接触する
事故二十二件▽一般道路で人や車と接触した事故九件▽電停で人と接触した事故一件
▽事故が発生する恐れがあった事態が三件。
けが人のうち五件五人は同社に過失があり、治療費を払っていた。電停の事故では、
修学旅行中の女子中学生に接触していた。
同社で記者会見した佐藤社長は「市民に多大なる迷惑を掛けたことを心からおわび
申し上げる」と陳謝。同社は事故隠しについて「報告義務があることを知らなかったり、
報告しなくてもよいと都合よく解釈したりしていた」と説明した。佐藤社長と常務、専務を
減給十分の一（一カ月）とする。
今後、安全管理体制を確立するため、法令順守の委員会などを設置。社員を再教育し、
再発防止を図るという。
同社の事故隠しは、三月に同局へ匿名の通報があり同社に調査を求めたが、同社は
「未報告の事故はない」と回答。だが、六月にも匿名でさらに詳しい事故情報が寄せられ
発覚した。
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