07/07/30 09:14:28 0
>>1の続き
2005年衆院選での自民圧勝に対し、今度の惨敗は有権者のバランス感覚がもたらしたとみる
ことができるかもしれない。あの衆院選は投票率が前回を大幅に上回り、現行制度で過去最高を
記録するほど大量の「浮動票」が自民に流れた。今回の参院選は選挙区の最終投票率が前回を
2・07ポイント上回る58・64%となった。期日前投票も1000万人を超えている。
その多くが自民への批判に向けられたといえそうだ。
「自民王国」だった中国地方の選挙区は全国の縮図にも見える。
改選前、欠員1を含む6議席を独占していたのに、青木会長の地元、島根県で前職が国民新党
新人に苦杯をなめ、岡山県では参院幹事長が民主新人に敗北。鳥取県でも前職が議席を失った。
広島県で前職が民主新人と議席を分け合い、安倍首相の地元、山口県で前職が勝利したものの、
閣僚のたび重なる問題発言、あまりにお粗末な事務所費の計上などを含め、安倍政権への評価が
全体としてマイナスだったといわざるを得ない。安倍首相は小泉純一郎前首相の改革路線続行を
唱えていたが、郵政造反組をいち早く復党させるなど、国民の多くには「逆行」と映ったのでは
ないかとみられる。
●民主 農村で支持
自民を抜いて参院第一党になった民主は「風頼みの都市型政党」から一皮むけたようだ。
年金問題を地道に追及してきた議会活動が評価されたのが大きい。加えて、小沢一郎代表が
過疎地もきめ細かく回り、農家への「戸別所得補償制度」導入などと相まって農村部でも
支持を一気に拡大した。政権交代への地歩を固めたいところだろう。
自民への逆風は、これまでの選挙で連戦連勝を誇っていた連立与党、公明党にも及んだ。
原爆投下を「しょうがない」と発言した久間章生前防衛相を辞任に追い込むなど存在感を
発揮したものの、十分浸透しなかった。
与野党逆転の参院が今後、民主党主導でどう運営されるか。先の国会では法案採決に際し、
与党の強引さが目立った。今回の結果は国民が反省を促したともいえる。
両院の力関係が異なるため、政治の不安定を懸念する声が出ている。
しかし、民意を損なわず、丁寧に議論を尽くすことが新しい参院の使命でもある。
以上