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★廃止・売却の年金施設、1兆円が回収不能に
厚生年金と国民年金の保険料計約1兆4000億円を投じて建設されながら、
廃止・売却が決まった年金福祉施設計412物件の資産価値が約2000億円に
過ぎないことが、厚生労働省所管の独立行政法人「年金・健康保険福祉施設
整理機構」(RFO)の鑑定結果でわかった。
このうち、4分の1の102物件が今月中旬までに売却されたものの、総額は
約400億円にとどまっている。売却期限まであと3年余。売却益は、年金特別
会計に繰り入れられるが、すべてを売却できたとしても、1兆円以上が回収でき
ない見通しだ。
厚労省の内部資料によると、1945~2005年度に国民が支払った年金保険料
のうち、約6兆4000億円が年金給付以外に使われた。このうち、厚生年金分の
約1兆1700億円、国民年金分の約2300億円の計約1兆4000億円が年金
福祉施設の建設・整備に充てられた。
これとは別に、総額約3000億円をかけて建設された、より大型の保養施設
「グリーンピア」については、全13施設が05年12月までに売却されている。
年金福祉施設の大半は、60年~01年にかけて全国で建設され、厚生年金会館や
保養所、カルチャーセンターなど412物件(302施設)に上る。国有財産のため
固定資産税がかからず、民間施設に比べ利用料を低く抑えられるとされたが、
同様の民間施設の登場で特色が薄れ、全施設の売却・廃止が決まった。
このため、RFOが05年10月に5年間の期限付きで設立され、10年9月末までに、
一般競争入札で売却を終えることになっているが、不動産鑑定の結果、資産価値は
2016億円となった。(>>2以降に)
(2007年7月24日3時0分 読売新聞)
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