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・麻生外相が19日の講演で「アルツハイマーの人でも分かる」と発言した問題は、選挙戦に
入っても閣僚の「失言ドミノ」が止まらない政権のゆるみを露呈した。政府・与党は「的確性を
欠く」(塩崎官房長官)と批判しながらも、外相がすでに発言を撤回し謝罪したことから、これ
以上は問題視せず、沈静化をはかる方針だ。麻生氏は「ポスト安倍」の有力候補の一人と
見られていることから、参院選で与党が惨敗した場合に予想される政局にも影響するとの
見方もある。
参院選の投票日を9日後に控え、政府与党内からは「軽率だ。選挙戦にマイナスはあっても
プラスになることはない」(自民党町村派幹部)「もう勘弁して。緊張感を持ってやってくれ」
(公明党幹部)「どこから矢が飛んでくるかわからない。民主党には敵失はないのか」
(首相周辺)と悲鳴に近い嘆きが漏れた。
麻生外相は独特の「べらんめえ」調の話術が一部の有権者に人気だが、時に脱線し、
「不規則発言」がたびたび物議をかもしてきた。自民党政調会長だった03年5月には、日韓
併合時代に日本政府が朝鮮の人々を日本名に変えさせた「創氏改名」について「朝鮮の人
たちが『名字をくれ』と言ったのがそもそもの始まりだ」と語って批判を浴びたこともある。
20日、鳥取県倉吉市での演説でも「酒は『きちがい水』だとか何とか皆言うもんだから、
勢いとかいろんなことありますよ」などと、またもや問題表現を口にした。
自民党内には、麻生氏の今回の発言について「総裁候補の有力候補がこんなことを言うよう
では、もっと慎重な人を求める声が出てくる。党内で麻生さんを推す動きが鈍るだろう。
参院選後の政局でも、この発言は響くと思う」(町村派幹部)との見方もある。
一方、野党は「全く人権感覚がない」(社民党の福島瑞穂党首)などと批判を強めている。
民主、社民、国民新の3党は罷免を要求する構えだ。(一部略)
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