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米国下院の外交委員会が慰安婦問題で日本政府を糾弾する決議案を可決した。6月26日の
ことだった。この決議案は、いまや下院の本会議で審議され、採決される見通しが強くなった。
この決議案自体には拘束力もなく、日本への実質上の影響は少ないようにもみえる。
だが日本側での反発も激しい。
そんな日米両国での動きのなかで、米国議会の長老議員が敢然として、この決議案への反対
を表明した。しかも何度も繰り返しての表明だった。民主党の上院議員ダニエル・イノウエ氏で
ある。民主党の全国委員長をも務め、米国議会全体でも最も尊敬される政治家の一人だと
いえるイノウエ氏は、上院に身を置きながら、下院での決議案に強い反対を公式に言明したの
だった。日本側にとっては心強い言明だった。米国側にも日本の立場や日米関係の重要性を
正しく認識し、それに逆行する流れには、堂々と反対を表明する政治指導者が存在することを
印象づけたといえる。
◆「米国の謝罪すべき行為に叱責はあったか」
採決から2週間後の7月9日、イノウエ議員が上院本会議で声明を出した。下院がこれから
本会議で採決しようとする慰安婦決議案への正面からの反対だった。本会議での演説に等し
い声明だった。そもそも上院議員が下院での案件に正面から意見を述べること自体が極めて
異例である。
・その声明の総括といえる部分をまず紹介しよう。
「これらの出来事(慰安婦の存在など)は1930年代と40年代に起きた。そしてそこでの悪習に
対する認知と謝罪は1994年以来の日本の歴代首相によりなされてきた。わたしは米国が認知
し、謝罪すべき過去の出来事を多数、想起できる。だが米国政府はそうした行為を認知せず、
他の諸国も米国を公式に叱責することはない」
イノウエ議員は米国も過去には政府が謝罪すべき行為はとっているのに、謝罪はしていない
ではないか、と率直に述べているわけだ。だから日本にそんな謝罪を求めることには反対だと
言うのである。 (>>2-5に続く)
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