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★社説 敵対的買収と防衛、もっと株主本位に(7/9)
M&A(合併・買収)が企業価値を高める手段として定着するなか、敵対的買収が焦点となっている。
東京地裁が買収防衛策発動の是非について見解を示し、司法判断の基準も大まかだが見えてきた。
買収提案者と経営陣の交渉を見ていると、互いの批判に終始する例も目に付く。双方が企業価値の
向上策を示し、すべての株主に判断を求めるのが買収・防衛交渉の基本だ。この点でまだ株主本位とはいえない。
●司法が防衛の基準示す
買収される危機感から経営者に緊張が走っている。野村証券によると、敵対的買収に備えて
買収防衛策を導入した企業は約380社に達した。上場企業の約1割に当たる。
防衛策の発動はどんな場合に認められるのか。東京地裁は6月末、米投資ファンドのスティール・
パートナーズがブルドックソースの防衛策差し止めを求めた仮処分申請で、申し立てを却下した。
地裁が重視したのは、ブルドックの株主総会で、出席株主の3分の2以上の賛成(議決権ベース)が必要な
特別決議によって、会社側提案の防衛策が支持されたことだ。敵対的なTOB(株式公開買い付け)を
拒否する見返りに、ブルドックが金銭で補償する点も地裁は考慮した。
スティールが買収後の経営方針を示していなかった点も見逃せない。
ライブドアによる買収に対抗し、取締役会決議で防衛策を発動しようとしたニッポン放送は司法の場で
差し止められた。取締役会決議だけでは経営陣の保身に利用されかねないためだ。東京高裁は例外として、
買収者が株式の高値引き取りを会社関係者に求める場合などを挙げた。
二つの判断を比べると、防衛策発動を決議するのが取締役会か株主総会かがポイントだ。
取締役会だけの場合、経営陣は買収者が企業価値を損ねると立証する必要がある。
株主総会での特別決議などを満たせば、その問題を立証しなくていい。
株主の意向を物差しとする点でほぼ妥当な基準といえる。ただ買収・防衛の是非は株主に問えという
基本を徹底すれば、TOBという舞台で株主の判断を仰ぐ選択肢も、ブルドックにはあり得たかもしれない。
(続く)
日経新聞 URLリンク(www.nikkei.co.jp)
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