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(>>1のつづき)
抗日戦勝利と言っても、被害の大きさは日本とくらべものにならないし、中国が日本を屈服させたわけ
でもない。戦後、賠償を放棄して「ゆるした」のに、日本はその重みを受け止めていないのではないか。
中国は軽んじられている。そんな屈辱感も重なっているのを見逃してはならないだろう。
反日デモの嵐が吹き荒れた一昨年春。デモ参加者の怒りには、さまざまな要因が絡まっていたことだろう。
その一つに、江沢民時代に強化された「愛国教育」の影響があると言われた。
揺らぎだした共産党支配の正統性を立て直すために、抗日戦争を学習させ、結果として日本への怒りを
再生産することになった、という見方だ。
その面があるのは確かだろう。しかし、だからといって、日本による侵略を自らの近代史の中心テーマと
受け止め、記憶し、世代を超えてそれを受け継ごうという中国人の心情を批判することはできない。
いまの中国では、知日派の人々でさえ、戦争の歴史の話になると表情を変えることが少なくない。
民族感情の渦が代々受け継がれていることを、私たちは意識しておかねばならない。
残念な世論調査結果がある。ピュー・リサーチセンターの調査によると、中国を「かなり嫌い」「どちらかと
言えば嫌い」とする人が日本では67%。調査の対象となった47カ国・地域で最も高かった。同じように
中国人にも日本を嫌う傾向が強い。 今年は、日本と中国が国交を正常化して35周年にもあたる。
それなのに、こんな数字が出てしまうことを私たちは深刻に受け止めなければなるまい。
政治の役割は大きい。
例えば、南京大虐殺論争を建設的な方向へ押し出す。犠牲者数について中国は30万人と主張するが、
いくら何でも多すぎないか。一方、あれは虚構だと言われれば、中国側が反発するのは当然だ。両国の
歴史共同研究で冷静に検討が進むことを期待したい。
そうした中で、日本の首相が南京を訪れてはどうだろう。小泉前首相や村山元首相は在職中、盧溝橋の
抗日戦争記念館を訪れた。論争は専門家に任せ、現地を訪ねて慰霊する。中国の人びとからも、国際
社会からも歓迎されるはずだ。
この年を、感情と怒りがぶつかり合う年にしてはならない。(以上、一部略)