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・沖縄戦時下、座間味村で起きた「集団自決(強制集団死)」で、当時の助役が「軍からの
命令で、敵が上陸してきたら玉砕するように言われている」と話していたことが、助役の
妹二人の証言で六日までに分かった。当事者が初めて証言した。「集団自決」の軍関与が
教科書検定で削除され、軍命の有無をめぐる裁判が進む中、日本軍の軍命を示す新証言
として注目される。
証言したのは「集団自決」で亡くなった当時の座間味村助役の宮里盛秀さんの妹・宮平春子
さん(80)=座間味村=と宮村トキ子さん(75)=沖縄市。
座間味島への米軍上陸が目前となった一九四五年三月二十五日夜。春子さんら家族と
親族計三十人が避難する座間味集落内の家族壕に、盛秀さんが来た。父・盛永さんに対し
「軍からの命令で、敵が上陸してきたら玉砕するよう言われている。間違いなく上陸になる。
国の命令だから、潔く一緒に自決しましょう」というのを春子さんが聞いた。午後十一時半に
忠魂碑前に集合することになったことも伝えた。
集合時間が近づき、壕から出る際、トキ子さんの目前で、盛永さんは盛秀さんを引き留め
ようとした。盛秀さんは「お父さん、軍から命令が来ているんです。もう、いよいよですよ」と
答えた。
その後、盛秀さんは産業組合壕へ移動。同壕の「集団自決」で盛秀さんら家族を含め
六十七人が亡くなった。
当時、盛秀さんは防衛隊長も兼ね、軍の命令が村や住民に出されるときには、盛秀さんを
通した。
春子さんもトキ子さんも、沖縄県史や座間味村史の編集作業が行われた七〇―八〇年代に
同島におらず、証言の機会がなかった。
座間味島の「集団自決」の軍命を巡り、岩波書店と大江健三郎さんが名誉棄損で訴えられた
「集団自決」訴訟では、元戦隊長が、助役が軍命を出したと主張。さらに訴訟資料を参考に
文科省の教科書検定で、「集団自決」記述に修正意見がつき、日本軍関与が削除されている。
URLリンク(www.okinawatimes.co.jp)
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