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先日、「マグロを学び、各部位を料理して食べ比べる」という会に参加してきました。様々な
交流会を開催しているギリークラブが企画したもので、要は「マグロをもっと知ろうよ」という
趣旨です。講師は昭和2年創業の築地のマグロ専門卸、樋栄の楠本栄治社長。
「明治記念館」特製の食事を含めて3時間ほどの会でしたが、楠本社長から説明を受けると、
身近なマグロでも知らないことがこんなにあるのかと、改めて目からウロコが落ちる思いでした。
このタイトルにした質問もその一つ。常に水の中にいるので15℃前後と思ってしまいますが、
答えは40℃だとのこと。本マグロ(別名クロマグロ)はマグロ類の中でも最も広い海域を高速
で泳ぎ回るため、運動量が多く、エネルギーを大量に消費します。そのため、体温が人間並
みに高くなります。
体液も酸素を運ぶ物質が多く含まれており、人間の血に似た成分だそうです。だから、マグロ
の身は赤みが強く、鉄分を感じさせるような酸味のある味わいにつながります。白身の魚は、
逆に運動量が少なく、酸素がそれほど要らないため、身が白いわけです。
天然ものがすべて良いわけではない、という指摘も「なるほど」と思いました。本マグロは、
春から夏にかけて、太平洋側と日本海側を北上し、秋から冬を北海道の南部で過ごし、太平洋
に戻っていきます。マグロといえば、青森県の大間がとても有名ですが、大間が良いのは、
やはり寒い時期。季節を外すと、味が違うものになるそうです。
しかも、一般には「はえ縄」などの漁法より、漁師が1匹ずつあげる「釣り」が良いと通は言い
ますが、「釣りでも、腕の良し悪しがあって、針がかかったら時間をかけずにスッとあげられる
のがうまい人。長時間暴れさせると、体温が80℃くらいまで上がり、身がパサパサになって
しまう」と楠本社長は言います。
年末、テレビでマグロを追う漁師のドキュメンタリーをやっていましたが、マグロと「ファイト」
することは、映像的には面白いものの、味からみると良くないということですね。(一部略)
日経レストラン:URLリンク(nr.nikkeibp.co.jp)