07/06/28 02:40:32 0
・米下院の外交委員会が、慰安婦問題についての決議案を可決した。39対2の圧倒的多数だった。
7月にも本会議で採択される見通しだ。
日本が反省していないと、米議会が国際社会の面前で糾弾している。その意味は重い。
私たちは、首相の靖国神社参拝や慰安婦など歴史認識がからむ問題に、政治家が正面から取り組む
べきだと主張してきた。戦前の価値観を正当化するかのような言動は、日本の国際的な信用にも
かかわることだからだ。
それがこんな事態に立ち至ったことに、やりきれない思いである。日本がそんな国と見られているのかと
思うと残念であり、恥ずかしい。
決議案に疑問がないわけではない。歴代首相が元慰安婦におわびの手紙を出してきたことが触れられて
いないし、軍の関与を認めて政府として謝罪した河野談話の位置づけも不十分だ。
しかし、決議案にあるように、河野談話を批判したり、教科書の記述を改めたりする動きがあったのは
事実だ。慰安婦の残酷さを非難する決議案は、真摯に受け止める必要がある。
今回、決議案が採択の方向となったことについて、戦術的な失敗が指摘されている。今月、ワシントン・
ポスト紙に決議案に反論する意見広告が掲載された。それが、沈静化していた問題に再び火をつけた
という批判だ。 確かに、40人あまりの与野党の国会議員とともに、安倍首相のブレーンの外交評論家
まで名を連ね、決議案を「現実の意図的な歪曲」などと批判した全面広告は異様だった。4月の初訪米で
おわびを述べた首相の言葉は台無しになったと言えるだろう。
だが、問題の本質は、自らの歴史の過ちにきちんと向き合えない日本の政治自体にある。
安倍首相は「米議会ではたくさんの決議がされている。そういう中の一つ」「コメントするつもりはない」
と述べた。とんでもないことだ。日本に重大な疑念と非難が向けられているのである。河野談話や
アジア女性基金などの取り組みを説明し、改めて認識を語るべきだ。
小泉前首相の靖国参拝以来、日本の歴史への取り組みに対する国際社会の目は厳しい。日本の
民主主義は大丈夫なのか。今回の決議案はその警告として受け止めるべきである。(一部略)
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