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安倍首相の肝いりで、総務省に新設された「年金記録確認中央第三者委員会」。年金の払い込み証明がなくても、
この委員会が“救済”してくれるというものだが、すでに第三者委そっくりの国の組織がある。1953年から
厚労省内にある「社会保険審査会」。選挙目当てに「屋上屋を架す」安倍のインチキがまたバレた。
「社保審は年金支給額などの社保行政に不服があった場合、国民の審査請求を受け付ける。6人の委員の合議制で
公開審査を行い、裁決には国も従わなければいけない、いわば年金の簡易裁判所です」(厚労省関係者)
委員の資格は法律で〈人格高潔で、社会保障に関する識見を有し、かつ、法律又は社会保険に関する学識経験を
有する者〉と規定され、保険会社出身者、判事経験者、厚労省OBが2人ずつ名を連ねている。
委員長の年収は1800万円を超え、委員も勤続期間に応じた退職金まで受け取れるのだから、破格の待遇である。
こんな“ご立派”な組織があるのにウリ二つの委員会を設置する必要があるのか。カネもかかるだろう。
「実は審査会は十分に機能していないのです。審査の実施は週1、2回程度。委員には“ことなかれ主義”が横行し、
昨年度も裁決を下した724件中、請求人の訴えを認めたのは8%程度です。うち、年金記録の訂正に関する請求は
7件で、請求人の主張を認めたのは、たった1件だけでした」(事情通)
本気で年金問題に対処する気なら、血税で高給を食んでいる組織に仕事をさせるのが先決だろう。第三者委設置は
国民への目くらまし。安倍のパフォーマンスに過ぎない。
【2007年6月22日掲載記事】
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