07/06/22 03:14:36 WkII/fS30
視点・論点「まん延するニセ歴史学」
みなさんは、「ニセ歴史学」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
これは、見かけは歴史学のようだけれども、実は、歴史学的とはとても言えないもののことで、「偽史」や「歴史修正主義」などとも呼ばれます。
『そんなものが東京裁判史観以外にどこにあるんだ』とお思いの方も、
例として、ジンギスカン=義経説や、日猶同祖説や、ホロコースト否定論などの名前を挙げれば、
『ああ、そういうもののことか』と納得されるかもしれません。それとも、かえって、『え?』と驚かれるでしょうか。
例えば、皆さんもよくご存知のように、『盧溝橋事件は中国共産党の陰謀』と盛んに言われ、
ひところは大手出版社もこぞって書籍を売り出すほどのブームになりました。
盧溝橋事件陰謀説がよく売れたのは、もちろん、中国共産党の陰謀だという説に歴史学的な裏づけがあると信じた人が多かったからでしょう。
チャンネル桜や文藝春秋社が発行している雑誌などでも頻繁に取り上げられましたから、それを疑えという方が無理な話かもしれません。
しかし、実は、盧溝橋事件が中国共産党の陰謀という歴史学的な根拠は、ほぼない、といってよいのです。
あのブームは、まったくの空騒ぎでした。大学教授までが、なぜ、その空騒ぎに乗ってしまったのか。きちんと検証しておく必要があります。
いまは、張作霖爆殺がスターリンの陰謀だったという説に、人気が出てきているようです。
しかし、実のところ、スターリンのせいにしたところで、満州事変を正当化することは期待できません。
いま、このような、歴史学のようで歴史学ではない、「ニセ歴史学」が蔓延しています。
こういった「ニセ歴史学」のなかに、旧日本軍の戦争犯罪に関わるものがあります。その話をしたいと思います。