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(3)「公然通信」
「公然通信」に係るコンテンツに関しては、現在は「通信の秘密保護」を踏まえ、
コンテンツ規律について「プロバイダ責任制限法」などを除き制度化していない。し
かし、インターネットのメディア化の急速な進展や、有害コンテンツが社会問題化し
ている現状を踏まえ、「通信の秘密保護」の根拠は匿名による表現の自由の確保とプ
ライバシーの保護(狭義の通信の秘密)にあるとの視点から、保護の範囲と程度を捉
え直すべきである。その上で、有害コンテンツを含め、表現の自由と公共の福祉の両
立を確保する観点から、必要最小限の規律を制度化することが適当である。
具体的には、「公然通信」に係るコンテンツ流通に関して、各種ガイドラインやモ
デル約款等が策定・運用されていることを踏まえ、違法・有害コンテンツ流通に係る
最低限の配慮事項として、関係者全般が遵守すべき「共通ルール」の基本部分を規定
し、ISPや業界団体による削除やレイティング設定等の対応指針を作成する際の法
的根拠とすべきである。「プロバイダ責任制限法」などICT利用環境整備
度についても、可能な限り一元化すべきである。
その際、特に有害コンテンツ流通について、「自殺の方法」や「爆弾の作り方」、「ポ
ルノ」など、違法とは必ずしも分類し難い情報ではあるが、青少年など特定利用者層
に対する関係では一定の規制の必要性があるものに関しては、有害図書防止条例な
の手法を参考にしつつ、いわゆる「ゾーニング」規制(特定の行為等に対して一定の
ゾーン(範囲や利用方法)に限り規制することを許容する規律手法)を導入すること
により、広汎な内容規制の適用を回避しつつコンテンツ流通の健全性を確保すること
が可能となるため、その導入の適否を検討する必要がある。
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