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・ブログに大量のコメントが殺到して手の施しようがなくなることを「炎上状態」と呼ぶが、
従来は「ネット右翼」なるものによって引き起こされる現象だととらえられてきた。ところが
最近は、代わりに「ネットイナゴ」という呼び名が提唱され、定着しつつある。
2006年5月5日の朝日新聞では、弁護士の小倉秀夫さんのブログが炎上した例を紹介、
炎上の原因は「ネット右翼」だとして「数年前からネット上で使われ出した言葉」として紹介
している。そして、「ネット右翼」を、以下のように定義している。
「自分と相いれない考えに、投稿や書き込みを繰り返す人々を指す。右翼的な考えに基づく
意見がほとんどなので、そう呼ばれるようになった」
「右翼」とは言っても、左翼的な発言をした場合に限ってブログが炎上する訳ではなく、
政治とは全く関係のない反社会的な言動(飲酒運転の告白など)でも炎上は多発することから、
「炎上を引き起こす犯人」の他の呼び方が議論されるようになった。
06年5月下旬には、コメント欄に群がる様子をイナゴの大群に例える「ネットイナゴ」という
言葉が提唱された。ある個人ブログでは、「ネットイナゴ」という単語がグーグルの検索に
ヒットする件数を継続的に記録しており、それによると、ヒット数は06年5月~6月に急激に
増加、ネット上で認知度が高まっていった様子がうかがえる。
ネット以外の紙媒体でも、「ネットイナゴ」という言葉が紹介され始めた。07年2月22日には
産経新聞(大阪夕刊)のコラム「ネットウォッチング」が「『祭り』に群れ集う人々に対して
『ネットイナゴ』なる言葉が用いられるようになったが、『ネット右翼』として、若者の右傾化に
関連付ける議論よりは、よほど適当な表現に思える。イナゴには悪意も善意もない。あるのは
ただ食欲のみだ」と特色を論じ、この用語が広く知られるようになった。なお、この「ネット
ウォッチング」は、毎日新聞 の連載「ネット君臨 」が2ちゃんねるを話題にした際に、
「一面的な分析」「的を外した理解」などと批判したコラムでもある。(>>2-10につづく)
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