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近年、国内では死刑廃止論が勢いを増し、イリノイ州では死刑が中断され、
6州以上で薬物注射による死刑の是非が法廷で争われ、ニュージャージーでは
死刑完全撤廃の動きが強まっている。しかし一連の学術調査からは、
死刑には明らかに犯罪抑止効果があることが明らかになっている。
AP通信によると、コロラド大学のネイシ・モカン教授(経済学)らが2003年にデータを分析し、
06年に同じ調査を見直した結果、死刑を1件執行するごとに殺人が5人減り、
逆に死刑を1回減刑するごとに殺人が5件増えることが分かった。
01年以降、死刑の犯罪抑止効果について数十件の研究が行われているが、
いずれも死刑には犯罪抑止効果があると結論している。研究者はそれぞれ、
年ごと、または州、郡ごとに分けたり、地域の失業率、人口1人当たりの
収入などさまざまな間接要因も考慮しながら死刑の効果を解明しようとしている。
主な調査結果は次の通り。1)エモリー大学が03年に行った調査では、
死刑が1件執行されると平均18件の殺人が防止できる(ほかに防止件数を3件、
5件、14件とする研究も)。2)00年にイリノイ州が死刑執行を停止して以来、
4年間で殺人が150件増加した(ヒューストン大学調べ)。
3) 死刑を迅速に執行するほど犯罪抑制効果は高い。
死刑囚が監房で過ごす期間が2.75年短縮されるごとに殺人が1件防止できる
(04年、エモリー大学調べ)。
05年の殺人件数は全米で1万6692件。死刑執行件数は60件だった。
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