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107人が死亡した2005年4月のJR福知山線脱線事故で、国土交通省航空・
鉄道事故調査委員会は、JR西日本がミスをした運転士に課す「日勤教育」が異常
運転の心理的な要因になったと判断、教育内容の改善などを求める最終報告書を
今月下旬にも公表する方針を固めた。
直接の事故原因は、直前の停車駅でオーバーランした運転士が、車掌と運転指令
との無線交信に気を取られてブレーキ操作が遅れたためと断定。緊急性の低い無線
交信の制限や、人的被害を軽減する車両の必要性なども報告書に盛り込まれる見通しだ。
事故調では、05年9月の中間報告で自動列車停止装置(ATS)の機能向上
などを建議したのに続き、今回も鉄道事業者に対する建議を行う方針。同一事故での
二度目の建議は異例。
これまでの調べによると、快速電車の高見隆二郎運転士(死亡)は、伊丹駅で
約72メートルオーバーランし、車掌に「まけてくれへんか」と依頼。その後、
ミスを報告する車掌と運転指令との無線交信の内容に気を取られてブレーキ操作
が大幅に遅れ、事故現場の急カーブに制限速度を約46キロ上回る時速約116
キロで進入して脱線した。
日勤教育は、乗務中にミスをした運転士を対象にした再教育制度。一定期間
乗務から外して反省文やリポート作成などを課す内容で、高見運転士は04年の
オーバーランで13日間の日勤教育を受けていた。
事故後、日勤教育の恣意(しい)的な運用は見直されたが、JR西は今年2月、
事故調の意見聴取会で、「日勤教育は安全確保のため必要不可欠」などと主張。
先月末の最終報告書案に対する意見聴取でも、同様の見解を述べたとされる。
(続く)
■ソース(読売新聞)
URLリンク(www.yomiuri.co.jp)