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アヘンの原料となるアツミゲシの自生が県北部で広がっている。空き地や路肩など、あちこちで
目につくようになり、保健所の職員が処分に追われている。元々繁殖力が強いうえ、温暖化の
影響もあってか、近年、急増しているそうだ。花はきれいだが、放置はできず、手が足りない
保健所は自治会やNPOなど民間への協力依頼も検討し始めた。
アツミゲシは地中海原産の帰化植物で約6センチほどの紫や赤の花を咲かせる。花期は4月中旬から
5月下旬。背丈は50~100センチになる。ついつい花がきれいで、自宅に持ち帰って植えてしまう
こともあるほどだが、麻薬成分を抽出することもできるため、あへん法で栽培は禁止されている。
日本でみつかったのは比較的最近のこと。1960年代前半、名前の由来ともなった愛知県・渥美半島
で自生が確認された。この時は警察に加え自衛隊も動員され、火炎放射器などを駆使して駆除作業に
あたった。それでも根絶せず、全国各地に広がったことでも繁殖力の強さがうかがえる。
(中略)
県薬務課によると、昨年の県内での処分数は北部を中心に約6万本にのぼり、前年の7倍以上だった。
今年も既に開花期をほぼ終え、同じようなペースだという。急増の原因として推測されるのが、
温暖化と少雨だ。「成長が早くなり、花に気がついて抜こうとした時には、もう種子が飛び散っている
のではないか。少雨だと、種子も飛びやすい」と同課はみている。
生来の繁殖力と、最近の急増傾向。徳島保健所鳴門支所長補佐の蟻井緑郎さんは、4月上旬から、
連日のように除去作業に追われている。多い日で約8千本。「どうしても人手が足りない。啓発活動や
民間団体などと協力することも視野に入れている」と話す蟻井さんが求めているのは、違法だと知らずに
「うっかり栽培」をしないことだ。
(以下自主規制)
[朝日新聞:徳島版]2007年06月08日
URLリンク(mytown.asahi.com)