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・東海道・山陽新幹線に7月1日から導入される新型車両「N700系」の車内デッキに、
防犯カメラが設置された。JR各社によると、在来線も含めて初の試みという。
カメラは16両編成に計60台設置されている。58カ所あるすべてのドアの上部と、運転席の
入り口上部の2カ所。内壁に埋め込まれ、「防犯カメラ作動中」のシールが張られている。
運転中は列車内のハードディスクに常時録画し、前後の運転席などで画像を見ることが
できる。プライバシー保護のため社内で規定を設け、厳正に取り扱う」としている。
乗客による乗務員への暴行は06年度に東海道新幹線で12件、山陽で5件起きた。
事故時などにドアを開けて脱出するための非常用ドアコックを、乗客が「乗り間違えた」
などの理由で使用し、列車を止める例も相次ぐ。今年3月には走行中の新幹線から男性
会社員が飛び降りて死亡し、約2万3千人に影響した。 昨年8月と12月には、JR西日本の
列車内で、女性に暴行を加えたとして男が強姦容疑で逮捕された。車掌は異状に気づかず
乗客からの通報もなかったとされる。
今回、新幹線に取り付けた防犯カメラには、トイレや洗面台の様子は写らないものの、
両社は「犯罪の抑止効果も含め、車内の秩序を守るのに役立つ」と説明している。
新型新幹線では今後、犯罪の容疑者や不審人物がどの車両に乗り、どの駅で降りたかの
追跡がしやすくなる。 05年7月の英ロンドン地下鉄テロ以降、鉄道のテロ対策を推進
している国土交通省危機管理室は「列車テロ対策にも有効と考えている」と期待する。
一方、市民団体「監視社会を拒否する会」(事務局・東京)は、鉄道各社に監視カメラ増強の
動きについて質問状を出すなど、警戒感を強めている。共同代表の田島泰彦・上智大教授は
「列車内で犯罪が頻発しているという状況ではない。予防の名目で、犯罪の具体的な根拠もなく、
大多数の善良な市民を監視することが正当化されるのか。プライバシーや肖像権に何の
配慮もなく撮り続けていいのか」と疑問を投げかける。(一部略)
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