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・「ヘルパーが未熟で、サービスが荒っぽい」「高いサービスをふっかけられる」。
6日、不正な指定申請にからみ、厚生労働省から介護事業所の指定打ち切りを通知
され、親会社が全事業の別の子会社への譲渡を決めた業界最大手「コムスン」(東京)には
現場や業界に根強い批判があった。コムスン側の巧みな“処分逃れ”に行政側は後手に
回ってきた。一方で、同社に頼るお年寄りらは6万5000人に上る。突然の指導と事業
譲渡に、利用者らに動揺と戸惑いが広がっている。
「コムスンは金もうけ主義。相手が費用を払えそうだと見ると、余計にサービスをつけたり、
高いサービスをふっかけたりしていた」と、登録ヘルパー(39)は明かす。
1人に対するサービスを、費用がかさむよう複数へのサービスであるかのように書類を
作ったりするケースもあったという。
東京都に住む利用者(78)は、サービスを架空請求された経験がある。短期入所(ショート
ステイ)で介護施設に滞在していたにもかかわらず、書類では、その間に自宅で訪問
サービスを受けたことになっていた。
コムスンを評価する声もある。手のかかる重度の要介護者は、事業所から敬遠されがち。
しかし、コムスンには「どんな利用者でも、収入につながる。サービス提供は断らない」
(同社ヘルパー)という風潮があったという。深夜や早朝に対応する巡回サービスは、
コムスンや一部の事業所しか提供していないのも事実だ。
夫婦とも要介護認定を受けている兵庫県の女性(75)は自宅近くにコムスンの訪問介護
事業所がある。「いざというときのために早朝のサービスを利用してみたが、近所の評判が
悪いので1回でやめた」という。それでも、夜間や早朝の訪問介護を行う事業所は地域に
コムスンだけで、利用する家庭も少なくない。
非常勤も含めて2万4000人に上るコムスンの従業員も不安を隠さない。ある女性ヘルパーは
「これから転職するにも『コムスンにいた』とは言いにくい。家族を背負った男性社員もいる。
彼らがどうなるのか心配です」と話していた。(一部略)
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